新約聖書神学II 下

神学の諸課題について、新約聖書全体がどのように語っているのかを詳細に解説、その神学の統一性を明らかにする。「キリスト教正典としての旧約聖書」「啓示」「救済論」を扱った上巻に続き、下巻では「教会論」「終末論」を扱う。大学の教科書として書かれているため読みやすい。
●邦訳完結に寄せて
本書は神学史(第Ⅰ巻)と主題的論述(第Ⅱ巻)を組み合わせ、どちらにもほぼ同じ紙幅を割くという包括性において際立っている。読者は否応なしに、伝承や文書ごとの違いと同時に、神学的な統一性に関する問いへ誘われる。生前の著者自身も、その点にこそ自分の創意があることを繰り返し語っていた。ドイツでは、その創意が教派の違いを超えてきわめて高く評価され、刊行後まもなくから版を重ねている。日本でも今後標準的な著作となっていくことは間違いない。(大貫 隆)
第15節 信従と信仰
第16節 弟子集団の自己理解
第17節 キリスト教の洗礼
第18節 主の晩餐
第19節 祈り、信仰告白、礼拝
第20節 カリスマと教会共同体の運営
第21節 ユダヤ人と異邦人への福音宣教
第22節 キリスト信徒の責任ある生活の根拠(倫理Ⅰ)
第23節 キリスト信徒の責任ある生活(倫理Ⅱ)
第V部 神の啓示行動の終末論的側面
第24節 この世において前進する救いと苦難
第25節 来るべき救いの完成
第26節 新約聖書の統一性―まとめ