日本カトリック教会の音楽
明治期から昭和初期まで・宣教師らの軌跡とともに

【著者紹介】
時津ハインツ(ときつ・はいんつ)/Ewald Henseler(エヴァルト・ヘンゼラー)
1947年生まれ。イエズス会士。フランクフルト大学卒業、同大学院修了。ボン大学において博士号を修得(音楽学)。現在、エリザベト音楽大学名誉教授、東洋音楽学会、キリスト教礼拝音楽学会、日本リードオルガン協会会員。
大津磨由美(おおつ・まゆみ)
エリザベト音楽大学卒業(首席)、同大学院修士課程宗教音楽学修了。宗教音楽、特に日本のカトリック教会の音楽研究に携わる。現在、キリスト教礼拝音楽学会、日本賛美歌学会、キリシタン文化研究会、日本リードオルガン協会、磐田国際交流協会、浜松ドイツ文化交流協会会員。
第1章 聖歌集
1.聖歌集『きりしたんのうたひ』(1878)
2.明治期の「手書き歌詞聖歌集」について──《ド・ロさまの歌》との関連
3.1907年版『日本聖詠』とドイツの聖歌
〔付録〕『日本聖詠』に含まれる聖歌の出典
4.エミール・ラゲによる「手書き歌詞聖歌ノート」の発見
〔付録〕ラゲ:聖歌・聖歌集一覧
5.『カトリック聖歌集』(1966)の編纂と日本人の作曲による聖歌
〔付録〕『カトリック聖歌集』に含まれる聖歌の出典
6.日本カトリック教会の聖歌集目録──明治期から昭和初期にかけて
第2章 聖歌
1.聖歌の世界──明治期から昭和初期までの聖歌
2.《無原罪の聖マリアの賛歌》──明治期に歌われたフランスの聖歌
3.1877年2月2日版《ビルゼンノささげのオラシヨ》
4.平仮名版『おらしよ並にをしへ』
5.山本直忠の聖楽劇《受難》
6.ヨゼフ・クライトマイヤーと「民衆的聖歌」──カトリック聖歌《あめつちを造り》をもとに
第3章 典礼
1.「モトゥ・プロプリオ」(1903)と日本の典礼運動──『フォス・キリストォ』誌に見られる聖歌を中心に
2.『フォス・キリストォ』誌に見られる朝鮮カトリック教会のリタニエ── “Shu awaremitamae”(3曲)をもとに
3.第2ヴァティカン公会議とミサ曲──ラテン語による多声ミサ曲を中心に
4.音楽と宣教──幟町カトリック教会の取り組み
第4章 グレゴリオ聖歌
1.「グレゴリアン音樂學會」の設立過程と終戦までの活動状況
2.「アヌイ師と宮城道雄氏の對談」──グレゴリオ聖歌と「自由リズム」
第5章 ハルモニウム
1.ハルモニウムによる聖歌伴奏譜──『日本聖詠』(1907)から『カトリック聖歌伴奏』(1966)まで
2.ハルモニスタ──構造と用い方
第6章 資料紹介
①山本直忠作曲《民謡調弥撒曲》
②「ミサ聖祭解説」
③「手書き歌詞聖歌集」の断片(1枚)
④《アマノコウグウ・ウタヒ・》
⑤三木露風と Ch.タルシス
a)“Nobara” b)『修道院の花』
初出一覧
人名索引
あとがき