増補改訂版 旧約文書の成立背景を問う
共存を求めるユダヤ共同体

捕囚期以後、ペルシア時代のユダヤ共同体(イェフド)は試練と苦難に直面し、その苦闘の結晶として旧約聖書を生んだ。律法・預言書・諸書、旧約正典諸文書編纂の担い手となった人々、諸文書の成立した時代的・社会的背景を問うた力作を増補改訂、さらに聖句索引を付す。
《Ⅰ》五書における歴史批判的研究の歴史
《Ⅱ》「契約の書」における捕囚期以後ユダヤ社会の構造
《Ⅲ》旧約聖書における審判思想の歴史的発展過程についての考察─ペルシア時代におけるユダヤ共同体の懲戒的正義に関する問いとその時代背景を中心に
第2部 預言書
《Ⅳ》申命記主義的歴史書(Deuteronomistic History)とは何か
《Ⅴ》エレミヤ書の「申命記主義的編」に関する一考察
第3部 諸書
《Ⅵ》Qumran 共同体における貧者の神学
《Ⅶ》詩編における貧者の神学
《Ⅷ》「貧者の神学(Armenfrömmigkeit)」の社会経済的背景に対する考察