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ひとつのみやこ

ひとつのみやこ ふたりのきょうだい

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ひとつのみやこ
ふたりのきょうだい

クリス・スミス:文  オーレリア・フロンティ:絵
ひらのかつき:訳

タテ21.6cm×ヨコ22.6cm・上製・32頁

定価1620円(本体1500円)

ISBN978-4-8184-0735-0 C8716  2010年04月刊行


憎しみではなく、思いやりを──
今こそ読まれるべき絵本

知恵による裁きを求めてソロモン王のもとにやってきた二人の兄弟。相続財産をめぐり、権利を主張し合う二人に、王はエルサレムに神殿も宮殿もなかった頃、お互いを思いやり、温かい愛でこの地を包んだ兄弟の話を語り出す。美しい色彩で描く、愛と平和の物語。


【作者紹介】
クリス・スミス(Chris Smith)

作家。UNICEF(国連児童基金)やオックスファムの働きに加わり、パレスチナのガザ地区、西岸地区での活動経験ももつ。この愛の物語には、イスラエルとパレスチナの人々が平和を見いだすようにとの彼の祈りがこめられている。英国オックスフォード在住。(刊行時の情報です)

オーレリア・フロンティ(Aurélia Fronty)

画家、イラストレーターとして活躍。世界中の伝統芸術から、創作のヒントを得ているという。フランスでは数多くの絵本を出版。現在、フランス・モントルイユ在住。(刊行時の情報です)

【内容見本】

ひとつのみやこ

【作者のことば】
もしもみなさんが、ヨーロッパとアジアが出会い、アジアとアフリカが出会うあの場所を訪れることがあれば、その都に歴史と神秘が湛えられているのを知ることになるでしょう。城門のなかに足をふみ入れ、狭い路地と市場の入りくんだところを歩くと、角を曲がるたびに、古くからの礼拝所が顔を出します。大きな黄金のドームのある立派なモスク、迷路のように立ち並んだ教会堂や礼拝堂、毎日、何千人もの人々が祈りをささげている大きな聖なる壁……。

来る年も来る年も、記憶にあるかぎりのはるか昔から、巡礼者たちが祈りと礼拝をささげるため、世界中からこの都に集まってきます。その都の名前をご存じですか? アラブ人は、「アル=クドゥス(聖なる都)」と呼びます。ヘブライ語では「イェルシャライム」と呼ばれます。そう、日本ではこの都を「エルサレム」と呼んでいます。

いったいこの都は、どのようにしてできたのでしょう? この物語がその答えです。

この物語は世界中のシナゴーグ〔ユダヤ教の礼拝が行われる会堂〕で、ユダヤ教の説話として語られています。
また、エルサレムやその周辺、パレスチナに住むアラブ人のあいだでも、アラブの民話として語られています。この物語がはじめて書きとめられたのは、200年ほど前のこと。エルサレムを訪れていたある旅行者が地元のアラブ人農夫から聞いたのだそうです。
それ以来、この物語は世界各地の人々に広がっていきました。ユダヤ教やイスラム教、キリスト教の聖典には収められてはいません。それでも、人から人へと語りつがれ、そのメッセージのもつ力のゆえに何百年、もしかすると何千年にもわたっていきいきと語りつがれてきた、素朴な民話なのです。

エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の物語や信仰のなかで特別な位置を占め、聖なる都でありつづけてきました。エルサレムはアブラハムが神を礼拝した地、その息子イサクとイシュマエルにもゆかりの地です。ユダヤ人とアラブ人はどちらもアブラハムの子孫であり、このふたりのアブラハムの息子たちからはじまったと言われています。エルサレムは、ダビデが石を投げてゴリアトを倒したあと、王となって治めた都。その後つづいてソロモンが王位について神殿を建てますが、やがて外国から攻められ破壊されてしまいます。

その後、イエスが、この都エルサレムで教えを説きます。さらに時代が下り、預言者ムハンマドはこの都から天へ上げられて、神からのメッセージを受けとりました。そしてかつて神殿が建っていた場所に、ふたつの立派なモスクが建てられます。

以来、エルサレムは数多くの争いの舞台となり、さまざまな支配者たちによって統治されました。アラブ人、トルコ人、ヨーロッパ人が交代交代に治めてきたのです。現在もなお、この都は、その所有をめぐって、イスラエルとパレスチナが悲惨な争いを繰り広げる舞台となっています。この地に、平和が訪れる日がやがて来るのか、だれにもわかりません。もしもソロモンがいま生きていたとしたら、平和への道を示すために、この物語を語ってくれるかもしれません。

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