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初期キリスト教の宗教的背景古代ギリシア・ローマの宗教世界 上巻 H.-J.クラウク:著 A5判 上製 354ページ 5,500円税込 ISBN978-4-8184-0968-2 C3016 2017年03月 キリスト教誕生当時における、周辺世界の宗教・哲学・習俗を詳説新約聖書を理解するには、同時代のギリシア・ローマ世界の宗教事情を知ることが不可欠である。当時の庶民がどのような宗教的日常を送り、宗教に何を期待していたか、史料を基に生き生きと描く。ドイツ語圏、英語圏で高い評価を得ている世界的名著、待望の翻訳。 ★チラシがあります 【目次】 はじめに/ 略語表/一般的参考文献 序論 比較的広汎な課題 比較的初期の計画 社会理論からの諸要素 聖書の理論的枠組(パラダイム) 第Ⅰ章 日常生活および境界線上の経験: 市民宗教と家庭宗教 A 犠牲祭儀 1 犠牲儀式 2 神殿と祭壇 3 神々と神々の像 4 祭司 5 祭礼 6 犠牲理論 B 団体 1 対外的な現れ方と術語 2 個々の例 3 外部からの観察 C 家庭宗教(Religio domestica) 1 語彙と社会史の予備的設問 2 家庭祭儀慣習 3 私的聖所 D 死者の祭儀 1 葬礼儀式 2 冥界 3 死者への食物供与と死者を祝う食事 4 墳墓に記された警句(エピグラム) 第Ⅱ章 神秘の魅力:密儀宗教 A 現象へのアプローチ 1 用語 2 現象学 3 歴史 B エレウシスの密儀 1 ホメーロス風のデーメテール賛歌 2 エレウシスの合言葉(シュンテーマ) 3 入会儀礼の3段階 4 主要な祝祭 5 密儀の内実と意味 C ディオニュソスの祭儀と密儀 1 エウリピデスの『バッカイ』 2 密儀宗教 3 オルフェウス教 D アッティスの祭儀 1 神話 2 祭儀 3 密儀の形式と儀式 4 牡牛の供犠 E イシスの祭儀 1 神話 2 祭儀と密儀 3 イシスについてのアプレイウスの書物 4 サラピス F ミトラスの密儀 1 起源の問題 2 入会儀礼の等級と儀式 3 礼拝の場所と祭儀的なイメージ 4 ミトラスの密儀の広がりと意義 G 評価 第Ⅲ章 民間信仰: 概観─占星術、占い、奇跡、魔術 A 治癒の奇跡 1 奇跡の行われる場所:エピダウロス 2 奇跡行為者:テュアナのアポロニオス B 未来の予言としるしの解釈 1 諸概念に関する説明と一般的な紹介 2 デルフォイ:託宣の場 3 その他の概観 4 託宣の集成:シビュラたち 5 夢とその解釈 C 魔術 1 外面的な現れ 2 境界線の問題 3 魔術に関わる文学的場面 4 魔術文書 D 占星術 1 基本的な諸要素と歴史 2 文献への反映 3 占星術の手引書 4 先見 監訳者あとがき/ 聖句索引/二次文献索引 【著者紹介】 ハンス=ヨーゼフ・クラウク Hans-Josef Klauck 1946年生まれ。カトリック司祭。1977年ミュンヘン大学で神学博士号取得。ヴュルツブルク大学、ミュンヘン大学新約聖書および初期キリスト教文学教授、シカゴ大学神学部新約学教授を経て、2016年同神学部名誉教授。イエスの譬え、コリント書簡、ヨハネ書簡などの新約聖書文書に関するもの、外典諸文書、新約学に必須の背景であるギリシア・ローマ世界の宗教的・社会的な歴史に関するものなど膨大な学問的業績を持つ。 |